花澤 昴


 

ライナーノート:

 

作品1

 

Sleepwalker(夢遊病者)

 

「音を聴いている場所自体が変化する表現」というお題を聞いた時に思い出した小学生低学年の頃夢遊病だったらしい私の実体験(実体験という表現もおかしな話ではある。夢遊病に関しては正式な診断は受けていないし、両親は鮮明に覚えているらしいが私は性質上一切移動した事を覚えていない)と、電子音響作品の音のディティールを楽しむような、いわばASMR的側面を全面に押し出す事を目標にした作品です。

 

気がついたら人混みの中で、意識が朦朧する中また気がついたら別の場所に居た……かと思えばまた別の場所にいる……流石にこれは実体験ではありませんが、この作品で夢遊病者の追体験ができたら幸いです。

 

 

作品2

 

LANDSCAPE-deconstruction-

 

音楽制作のとりわけミックスと言う作業は文字通り音を配置する仮想空間を作り、時間が経過するにつれてその音……自身の制作物がどう変化するか・させるかをデザインし組み立てていく作業と言っても過言では無いでしょう!Landscapeという単語は多種多様な意味があり抽象的な単語ですが、今回のコンセプトでは概ね「景観、風景や景色を構成する要素」という意味で使用します。

 

作品祭のお題を聞いた時に思いついたもう一つの案は「聞き手が移動(Sleepwalker)するのではなく空間そのものを変化させよう」という物でした。この曲はループ構成で、後半のパターンは似たような音が使用されつつも(建築用語で言う所の)再構築・解体(Deconstruction)をしています。後半のパターンで前半の音の組み合わせ、要するにデザインされた景観(場所)を残しつつもその景観を変化させる、という今回のテーマを満たしながら自分好みのやりたいことをやった作品です。

 


コンペティション作品(電子音響音楽部門)


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